ご結婚おめでとうございます! | 郵便学者・内藤陽介のブログ

 ご結婚おめでとうございます!

 今日はいよいよ、紀宮内親王殿下のご結婚の日です。一人の日本人として、純粋に殿下のご結婚を寿ぎ、お2人のお幸せをお祈りしたいと思います。


 というわけで、今日は難しい理屈は抜きにして、この切手をご紹介しましょう。


 ホンジュラスの紀宮切手


 この切手は、今年(2005年)の8月、ホンジュラスが日本との外交関係樹立70年を記念して発行したセットの1枚で、同時に発行されたものの中には、小泉首相の所信表明演説ですっかり有名になった「米百俵」の演劇も取り上げられています。


 ホンジュラスがこの切手を発行したとき、一部のマスコミでは、ジャパン・マネーを狙った外貨稼ぎの“いかがわしい切手”の類であるかのような報道がなされました。たしかに、ホンジュラス側に、この切手を内親王殿下のご結婚にあわせて日本人に買ってもらおうという意図が全くなかったといえば嘘になるでしょう。


 しかし、殿下は2003年にホンジュラスをご訪問されており、両国の友好親善に功績を残された方です。純粋に両国の友好親善のシンボルとして、ホンジュラス側が殿下の肖像を切手に取り上げたいと考えても、それは自然な発想のように思われます。ちなみに、「米百俵」は、現地の日本大使からこの物語のことを聞いたホンジュラスの大統領がいたく感激し、大統領の肝いりで同国でスペイン語版の劇が上演され、ホンジュラスをご訪問になった殿下ご本人も現地でこの芝居を鑑賞されており、やはり、両国の友好親善の象徴として切手に取り上げられたというわけです。


 なお、2003年、殿下はホンジュラスとあわせてウルグアイも訪問されていますが、この辺の事情については、8月25日の記事 をご参照いただけると幸いです。


 10月に刊行した拙著『皇室切手 』では、制作期間中には、今日のブログでご紹介しているホンジュラスの切手は実物の手配が間に合わず、泣く泣く、報道資料のカラーコピーを図版として利用しましたが、今日は、実物からの画像をお見せします。拙著を補うものとしてご覧いただけると幸いです。