コーランの新しい読み方 | 郵便学者・内藤陽介のブログ

 コーランの新しい読み方

 11月15日(来週火曜日)に、内藤あいさ(偶然同姓ですが、血縁・姻戚関係はありません)さんとの共訳で『コーランの新しい読み方』と題する翻訳書を刊行します。すでに見本は出来上がっていますから、一部の書店などでは、この週末に実物をご覧いただけることがあるかもしれません。


 原著は、コレージュ・ド・フランスの元教授でコーランのフランス語全訳者としても知られるジャック・ベルク(1995年没)が、一般向けの市民講座で語った“イスラム入門”といった趣の連続講演を1冊にまとめたものです。フランスでは、現在、北アフリカ系の移民の暴動が続いていますが、かの国でイスラムと真摯に向き合おうとしてきた知識人が、どのようにイスラムのことを理解し、人々に説明してきたかを理解する上で、格好の1冊と思いますので、今こそぜひともお手に取っていただきたいと思います。


 さて、当初、今回の翻訳書には「切手の中のコーラン」とでも題したコラムを適宜挿入しようかとも考えていたのですが、時間的な余裕がなくて断念しました。その代わりといっては何ですが、表紙カバーには、1986年にイランが発行した切手を、↓な感じでレイアウトしてもらいました。


 コーランの新しい読み方


 切手のデザインは、モスクの屋根を背景にコーラン第48章第29節(ムハンマドはアッラーの使徒である。彼と共にいる者は不信心の者に対しては強く、挫けず、お互いの間では優しく親切である)がカリグラフィで配されています。


 もっとも、本書の内容は“切手”とは全く無関係なので、カバーに切手を持ってきたところで、なんとか“郵便学者・内藤陽介”の看板にこじつけることができたというわけです。まぁ、内藤も、たまには切手以外の仕事をすることがあるのだ、と思って温かく見守っていただけると幸いです。


 ちなみに、みすず書房から出版されたサイードの『パレスチナ問題』も、中身は切手と関係ありませんが、カバーには切手がいくつかアレンジされています。いつか“中東切手展”などというイベントをやる機会があったら、今回のベルクの本と並べて会場で売ってみようかな、とぼんやり考えています。