お酉さま | 郵便学者・内藤陽介のブログ

 お酉さま

 今日(11月9日)は“お酉様”の日です。酉年のお酉様というのは12年に1回(いや2~3回というべきか)しかないレアな機会なので、何かネタはないかと探してみて、こんなものを引っ張り出してきました。


 ベトナムの鶏


 この切手は、ベトナム戦争さなかの1968年に北ベトナムで発行されたもので、北ベトナム支援の一環としてハンガリーで印刷されたものです。


 現在、東京・白金の明治学院大学 キャンパス内のインブリー館にて開催中(いよいよ、明日10日まで!)の「反米の世界史:切手が語るアメリカ拡大の歴史」展(10:00~16:30 入場無料 詳細はトップのポスター画像をクリックしてください)では、この切手は展示していないのですが、キューバやベトナムなどの反米ネタをソ連やハンガリー、中国、北朝鮮などがどのように取り上げているか、横断的に見比べていただけるように展示を構成しています。それらを見ていると、同じ題材を取り上げていても、それぞれのお国柄うかがえて、興味深いものです。ご関心の向きは、ぜひとも、会場までお運びいただけると幸いです。(今日・明日は僕も会場に終日詰めていますので、お気軽にお声をおかけください)


 ところで、今年の年賀状に僕はこの切手の画像を使いました。郵便学者という看板を掲げている以上、なんらかのかたちで年賀状では切手や郵便で干支を表現しているのですが、それだけではおもしろくありません。そこで、ここ数年は、新年の抱負ということで、その年の内にしあげたい本の内容に関連する国や地域の切手を選ぶことにしています。で、今年の場合は、7年ごしの仕事であった『反米の世界史 』(この辺の事情については郵便学者の舞台裏(講談社) をご覧ください)になんとしても決着をつけたいと考えて、北ベトナムの切手の中から、この切手を選んだというわけです。


 おかげさまで、本のほうは、無事6月に刊行となりましたし、そのプロモーションを兼ねた個展も無事に開催することができました。


 そろそろ、来年の年賀状の題材を考えないといけない時期になりましたが、さてさて、何にしましょうか。片付けなければならない仕事は山のように溜まっていますので、選ぶべき題材がなくって困るということはないのですが…。