米軍出て行け(日本語版) | 郵便学者・内藤陽介のブログ

 米軍出て行け(日本語版)

 今日(11月1日)から、いよいよ、「反米の世界史」展がスタートします。一人でも多くの皆様に会場にお運びいただけると幸いです。今日から3日間は、会場のある明治学院大学 は大学祭だそうで、そのことが吉と出てくれることを僕としては、ひたすら祈るばかりです。


 さて、お祭といえば、夕方からは東京・新宿のロフト+1で恒例の「北朝鮮祭り:朝流ナイト」が開催されます。僕の個展と日程が重なったのは全くの偶然ですが、今回もお呼ばれしているので、よほどのことがない限り、ゲストとして顔を出してくるつもりです。


 というわけで、今日は「反米の世界史展」に並べているものの中から、北朝鮮がらみでこんなものをご紹介してみましょう。



 日本語の入った北朝鮮切手


 この切手は、1978年に朝鮮労働党の30周年を記念して発行された切手の1枚で、統一朝鮮の地図をバックに祖国統一を訴える人民という、まぁ、かの国にとっては良くある題材が取り上げられています。これだけなら、良くある北朝鮮の反米切手なんですが、よくよく見てみると、なんと、左側から中央にかけて上の列のプラカードに「南朝鮮から」「米軍出て行け」という日本語のスローガンも書かれているではありませんか。


 1978年といえば、韓国(この切手の表現では“南朝鮮”)は朴正煕時代の末期です。すでにこの時期、北朝鮮経済は危機的な状況に陥っており、その強権的な体制のありようは外国でもそれなりに知られるようになっていましたが、日本国内では、進歩的な北朝鮮と独裁国家・韓国という構図を信じる人がまだまだ相当いた時期です。それだけに、北朝鮮としては、自分たちの主張が日本でも一定の支持を集めていることをアピールしようとして、こういうデザインの切手を発行したのではないかと考えられます。


 さて、くどいようですが、11月1~10日(10:00~16:30)、東京・白金の明治学院大学 キャンパス内のインブリー館を会場に、「反米の世界史:切手が語るアメリカ拡大の歴史」展を開催します。この展覧会は、その名の通り、拙著『反米の世界史 』でつかった図版の実物を中心に展示するもので、今日ご紹介の切手の実物は、「反米の世界史」展の会場でもご覧いただけます。入場は無料ですから、是非、遊びに来ていただけると幸いです。

 

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