松食鶴 | 郵便学者・内藤陽介のブログ

 松食鶴

 早いもので<JAPEX >の池袋会場今日が最終日となりました。とはいえ、目白会場の“皇室切手展”は、11月6日まで開催していますので、まだご覧になっていない方は、是非お運びください。


 さて、今回の“皇室切手展”は、逓信総合博物館と明治神宮、それに著名な収集家の方々にご協力をいただき、普段はめったに見ることのできない名品を多数展示することができました。その中でも、ひときわ目を引くのが、大正天皇の銀婚式の記念切手のうち、松喰鶴を描いた1銭5厘ならびに8銭の切手の未裁断の試刷シート(↓)です。


 松喰鶴試刷未裁断シート   松喰鶴


 画像をスキャンしてこのページにもアップしようかと思ったのですが、あまりにも大きすぎて、スキャナーではどうにもなりませんので、雑誌『郵趣』から引っ張ってきました。通常の単片切手のデザインは、右側の画像をご覧ください。


 切手のデザインは、菊花紋章を中心に、2羽の松喰鶴を配して銀婚式を意味する25の星で周囲を囲んだというものです。松喰鶴は、松の折枝をくわえながら飛んでいる鶴の姿をデザイン化したもので、おめでたい時によく使われる紋様です。


 今回の未裁断シートは、ある個人の収集家の方にお願いしてご出品いただいたものですが、とにかく、その迫力には圧倒されます。是非、会場で直接見ていただきたい逸品です。


 なお、この松喰鶴の切手を含め、大正天皇の銀婚式と切手については、拙著 『皇室切手 』でもいろいろと説明していますので、ご興味をお持ちの方は、是非、ご一読いただけると幸いです。


 *11月5日の17:15からは『皇室切手 』刊行記念のトークを行う予定です。一人でも多くの方に、是非、遊びに来ていただけると幸いです。


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