国際連盟から国際連合へ | 郵便学者・内藤陽介のブログ

 国際連盟から国際連合へ

 いよいよ、今日、<JAPEX >が開幕します。今年は、池袋会場では“1945年”と“国際連合(以下、国連)”という二つの特別展示をご用意しました。で、その両方に関わるマテリアルとして、こんなものをご紹介します。


  国際連盟宛カバー    カバー裏面


 このカバーは、1945年5月、アルゼンチン外務省からジュネーブの国際連盟(以下、連盟)宛に差し出されたものです。途中、経由地のアメリカで検閲を受けたことにくわえ、終戦前後の混乱もあって、逓送に4ヶ月もかかっていることが、裏面に押された連盟内の郵便局の到着印(右の画像です)からわかります。


 1945年4~6月のサンフランシスコ会議によって、連盟に代わる組織として国連の発足が決められましたが、その後も、1946年4月までは、整理業務のため連盟も存続していました。したがって、この時期は連盟と連合が並存しており、連盟から国連への移り変わりを示す郵便物が存在することになります。このカバーも、その一例といってよいでしょう。


 本日スタートの<JAPEX >では、日本における国連切手の収集・研究の第一人者、佐々木謙一さんのコレクションの一部として、国連草創期の郵便をまとめた作品も展示されています。ここでご紹介しているカバーは、おなじく特別展示の“1945年”に並べる僕の作品で使っていますが、これよりもはるかに、国連に関する興味深い資料が並んでいます。めったに見ることのできないマテリアルがテンコ盛りの展示ですので、是非、池袋の会場にお運びください。


 *右側のカレンダーの下のブログテーマ一覧に1945年 ( 40:第40回<JAPEX>の初日にあわせて、ちょうど40項目となっています) のコーナーを作って、特別展示“1945年”に関連する過去の記事をまとめてみました。展示の予告編としてご覧いただけるようにしていますので、よろしかったら、クリックしてみてください。